私は2019年の春頃からマウスにハマり始め、一時は200台近くのマウスを持っていた程のマウス中毒者だ。それと同時に飽き性なのだが、そんな私が今までで一番使ったマウスであるMX Ergoを紹介したい。
M570を踏襲したデザイン
形状やボタンの位置などの基本的なデザインは伝説のトラックボール「M570」やその後継の「M575」によく似ている。私の手は19cmほどと平均より少しだけ大きいサイズでいわゆるかぶせ持ち派だが、最高にフィットする。
泣く子も黙る8ボタン
チルトホイール、サイドボタン2個に加えさらにもう一つおまけのボタンがあるという贅沢仕様。Logicoolの非ゲーミングマウスのボタン数を多い順に並べると
MX MASTER 3S 9ボタン
MX Ergo/M720 8ボタン
M705m/SE-M705 7ボタン
MX Anywhere 3他 6ボタン
となり、かなりボタン数が多いことがわかる。8ボタンもあると、かなり自由に設定ができる。ジェスチャーにももちろん対応。
角度調整可能(0°⇄20°)
なんとトラックボール本体の角度を変えることも可能だ。
0°はM570やその後継のM575に近く、20°は自然な角度と言われている握手の角度に近い。それにしても、0°で使う人はいるのだろうか。小指側に力をかけると勝手に20°になってしまうから気を遣う必要があるので自分は20°で使っている。
ちなみに、角度調整のために付いている板は外すと安定しなくなるので必ずつけておく必要がある。
精密なポインティングに対応
先ほど私がおまけのボタンと言ったものは、DPI変更ボタンで、押すと精密な操作ができるプレシジョンモードになる。要はカーソルの動きがめっちゃ遅くなる。私は使わないので別の操作を割り当てているが、Photoshopでの切り抜きなどには便利なのだろう。
なお、読み取りセンサーはロジクールアドバンスオプティカルトラッキングという異様に長い名前の光学式センサーが使われているが、特に精度が低いと思ったことはない。
また、DPIは最小値が512で最大値が2048と、レーザー式で200~8000DPI(50刻み)のMX MASTER 3Sよりしょぼく感じるが、こちらも同様に不満に思ったことはない。
精密なスクロールにも対応
精密なスクロールができるホイールを搭載している。高速スクロールや回す重さを変えるなどの芸は持っていないが、質感が非常に高い。安いマウスは質感が微妙なものが多いので、さすが高級マウスといったところだ。神は細部に宿るとはこういうことなのだろう。チルトホイールのおかげで横スクロールがしやすいのも好印象だ。
2台に接続可能
ホイール手前にあるボタンを押すことでデバイスの切り替えが可能だ。しかも他のMX MASTERなどと違って裏面にあるわけではないので切り替えも楽。
もちろん、Flowにも対応しており、カーソルを画面の隅に持っていくともう片方のデバイスに切り替わる。片方でコピーしたファイルをもう片方にペーストすることも可能。
しかし、最近はLogi Bolt対応で3台対応の機種も増えてきたので、USBがUnifyingかつ2台までのErgoは人によっては心許ないかもしれない。
Options+に対応
これが発売された時はOptions+はリリースされておらず、当然設定は旧Optionsで行なっていたのだが、Options+のアップデートによって、MX Ergoも対応機種の一つになった。古いマウスも対応してくれるとはなかなか太っ腹である。
動かさなくていい
これはトラックボール全体に言える話だが、動かさなくていいので、手首の負担が減るし、狭いスペースでも快適に使える。今流行りのミニマリスト的な人にはスペースが少なくていいしマウスパッドもいらなくなるのでかなりいい選択肢ではないだろうか。
充電式
MXシリーズの特徴の一つに充電式というのがあるが、Ergoも例に漏れず充電式だ。1回のフル充電で120日、1分間の充電で1日と優秀だ。ただ、発売時期が2017年と古いこともあって、端子はMicro USBだ。同じ頃に発売されたMX MASTER/Anywhere 2Sも同じなので、しょうがないがそろそろ新型を出して欲しい。
あのひろゆき氏も愛用
論破王でお馴染みの西村ひろゆき氏も「何のトラックボールを使っているのか」という質問に「MX Ergoを使っている」と答えていた。その動画はAmazonで視聴可能だ。(リンク)
彼はその動画の中でボタンの多さ、チルトホイール、2台接続について触れていた。「ひろゆきがいうことは間違いだ!」と思う人もいるかもしれないが、これについては私目線で言えば合っていると思う。実際これらの機能は非常に便利だ。
MXTB1sとMXTB1dの違いは?
amazonを見てみると、Amazon限定のMXTB1dとMXTB1sがある。これらの違いは保証期間だけだ。sが2年でdが1年である。6/1現在、amazonの定価はなぜかsのほうが安いがクーポンを使うとdのほうが安くなる。
ちなみに、amazon限定のMXTB1dは楽天市場のLogicool公式オンラインストアでも売られている。そこではオンライン限定との表記があった。どういうことだろうか。
3年使って感じたこと
ここからは私が3年間使い続けて感じたことを書いていきたい。
・プレシジョンモードボタンはジェスチャー向きではない
私は戻る進む以外のおまけボタンはジェスチャーに割り当てており、他の人にも推奨しているのだが、プレシジョンモードボタンはボールのすぐ近くにあり、押しながらボールを回すのはかなり難易度が高い。なので私はそこを戻る、本来の戻るを進む、本来の進むをジェスチャーにしている。
・掃除が面倒
トラックボールがはまっているスペースにはちっちゃい玉が付いている。これのおかげで滑らかに回るのだが、埃が溜まるので定期的に球を取り出して掃除する必要がある。球を取り出す時は本体裏側にある穴からボールを押し出す必要があるのだが、穴が小さいため割り箸やペンで押さないといけない。M570やM575は指でいけたのでここは残念なポイントである。
MX Ergoをおすすめできる人
・手首の腱鞘炎が気になる人
動かすのは指だけなので手首の心配がいらなくなる。
・デスクのスペースが狭い人
動かさなくてもいいので狭くてもOK
・多ボタンマウスが好きな人
Logicoolのマウスの中では多い8ボタン
・マウスに高い値段を出せる人
安くても14000円くらいする
MX Ergoをおすすめできない人
・親指の腱鞘炎が気になる人
手首を動かさない代わりに親指をフル稼働させる必要がある。
・多ボタンじゃなくてもいい人
5ボタンのM575が6000円くらいで買えるのでそれでも十分だと思う。
・高すぎると感じる人
安くても14000円くらいするので最上位のMX MASTER 3Sと大差がない。
まとめ
このマウスはM570やM575と違い、ボタンが多く角度調整にも対応している。しかし、値段が非常に高い。また、2017年発売なのでMicro USBやUnifyingなどの古めかしい要素も備える。本当なら、新型を待ちたいところだが、つい数か月前に保証期間がみじかいMXTB1dを発売したことを考えると、もうしばらく出ないのかもしれない。この記事が、読者の皆様が一生付き合っていくマウスを選ぶ際に少しでも役に立つことができれば幸いである。